人は、優秀な人ではなく、
「自分を認め、頼ってくれる人」についていく
大学卒業後、JT(日本たばこ産業)に就職。「勤務地域限定」の地方採用として入社。「どんなにがんばっても偉くなれない立場」から、キャリアをスタートさせる。日本一小さな工場勤務での、きめ細かなコミュニケーションを通じた働きぶりを買われ、本社勤務に。その後、営業経験がまったくない中で、全国最年少所長に抜擢され、リーダーとしての一歩を踏み出す。
「自分にできることを一生懸命やる」「部下を信頼し頼る」をモットーに、自ら自転車で販売店をまわり、部下と共に汗をかくひたむきさに、「こんな素人の若造に、何ができるんだ! 」と疑念を抱いていた部下たちも信頼を寄せるようになり、営業所の業績も急上昇していく。
職場再建のプロと呼ばれ、次々と任された組織を活性化させ、歴代最年少の支店長に大抜擢。31支店中25位より上位の成績をとったことがない高崎支店を2年連続で日本一に導く。
それでも彼は、最後まで自分自身の問題を認識することはありませんでした。「自分に問題があった」とは思わず、「自分は優秀なのに、部下がそれについてこなかった」と、最後まで思っていたようです。
私が知る限り、「個人として優秀なリーダー」ほど、この問題になかなか気づくことができません。「個人としての優秀さ」とは、そんな怖さをはらんでいるものなのです。
人というのは優秀な人についていくのではありません。むしろ、自分のことを認め、頼ってくれる人についていきたくなるものです。あなた自身が部下だったときのことを思い出して下さい。
「ものすごく優秀なリーダー(だけどあなたのことを認めてくれないリーダー)」と「あなたのことを優秀だと認め、頼ってくれるリーダー」がいたら、どちらのために本気で働きたいと思いますか。
「オレは優秀だ。だから、みんなついてこい!」と言われるより、「あなたを頼りにしているから、ぜひとも助けて欲しい」と言われたほうが何倍もやる気が出ます。そんなことを言ってくれるリーダーのためなら、もっとがんばろうという気持ちになるのではないでしょうか。
人は誰でも「優秀でありたい」と思うものですが、リーダーにとって「個人としての優秀さ」とは、実はとても危険な要素でもあるのです。
(次回掲載は、9月2日予定です)
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著者の浅井氏は、JT(日本たばこ産業)に地方採用として入社。きめ細かなコミュニケーションを通じた働きぶりを買われ、本社勤務に。その後、営業経験がまったくない中で、全国最年少所長に抜擢され、リーダーとしての一歩を踏み出します。
いわば、営業経験ゼロで、はじめてリーダーになったわけですが、営業所の業績は急上昇。その勢いは衰えず、職場再建のプロと称され、次々と任された組織を活性化させ、とうとう歴代最年少の支店長に大抜擢。31支店中、25位より上位の成績をとったことがなく、閉塞感に陥っていた高崎支店(群馬県管轄)を2年連続で日本一に導きます。
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