米ゼネラル・エレクトリックが、研究所の建設に10億ドルをつぎ込むなど、ソフトウェアへの投資に懸けている。世界を代表するインフラ“メーカー”が、なぜソフトウェアへ傾注するのか。
毎年、年明けとともに米ラスベガスで開催される、世界最大の家電見本市、コンシューマーエレクトロニクスショー(CES)。最新のトレンドが発信される家電業界が主役のこのイベントに今年、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の幹部がお忍びで視察に訪れていた。
GEといえば、家電部門も抱えてはいるが、主力はインフラ事業。発電用のタービンや航空機エンジンなど、巨大なインフラ機器のメーカーというイメージが強い。金融事業も柱の一つだが、近年は「製造業回帰」の方針を打ち出し、図(1)のように10年前と比べると、ますますその性格を強めている。売上高・営業利益共に6割以上がインフラ事業なのだ。
さて、そのGE幹部は何のためにCESを訪れたのか。実は、向かった先は大型液晶テレビなどが並ぶ、最も華やかなメイン会場ではなかった。お目当ては「ソフトウェア技術の視察だった」と、GEグローバル・ソフトウェア・センターのヴァイスプレジデント、ウィリアム・ルー氏は明かす。
その意味を解き明かすために、GEの主力ビジネスであるインフラ事業の中身を分解したのが図(2)だ。設備や機器などハードの販売と、販売したハードのメンテナンスなどを手がけるサービス事業に分けてある。