言い訳の中にこそ、
「現場の真実」がある

 言い訳であろうが何であろうが、部下が正直に話をするときというのは、上司にとっては最大のチャンスです。そこで私は「じゃあ、いったいそのオーナーっていうのは、どんな話だったら聞いてくれるのかな」とさりげなく水を向けます。

 すると部下は「自分の話はしたいみたいですけど、こっちの話は全然聞いてくれませんね」と言うので、「そうか。それじゃあ、あえて新商品の話とか、こっちの要望を話すのはやめて、オーナーがどんなことに困っているのか、何かお役に立てることはないかという感じで、相手の話をたっぷり聞いてくるだけでもいいじゃないか」などの提案をしてみるわけです。

 あくまでも一例ですが、こんなやりとりを目指して下さい。

 部下が抱えている問題、直面している壁を正確に把握したいと思うなら、とにかく「言い訳を聞くこと」が必要です。その言い訳の中に「現場の真実」があり、「問題解決のヒント」が隠れていることをリーダーは決して忘れないで下さい。