一人ひとりが自分をマネジメントしなければいけない時代
子どもの時は誰でも、「情熱スイッチ」は入ったままです。
たとえば、生まれたての赤ちゃんで「情熱」を失い、「今日はダルいから、ハイハイをやめておこう」なんて思う赤ちゃんはいませんよね。
子どもは、なんにでも興味を持ち、疲れるまで遊び、将来の夢を見ます。
私たちはみんな、無限の可能性を秘めている存在なのです。
それなのに、なぜ大人になると多くの人が夢や希望、情熱がなくなり、「このくらいでいいや」と、自分を小さな枠にはめてしまうのでしょうか。
また近年、バブルの崩壊後に育った若者は「草食系」「安定志向」「ヤル気がない」といわれ、「情熱」などというと、露骨に嫌がると考えられています。
でも、私はそうは思いません。
誰にでも「情熱スイッチ」はあり、それをオンにするやり方さえわかれば、間違いなく情熱家に変わると信じています。
そして、一度「情熱スイッチ」が入った人は、自分の見つけた夢に向かって、たどり着くまでくじけずにひたすら進むようになるのです。
マネジメントという概念を発明した有名な経営学者のピーター・ドラッカーはこういっています。
「情報革命など、100年後の人たちからすれば、取るに足らない。それよりも今、私たちにとって最大の変化が起こっている。それは人類史上初めて、“自分自身をマネジメントしなければならない時代”が来たということ。しかし社会はまったくそれに適応できていない」
これまでの時代は、あるていど決まった「成功」へのレールがあり、その道を外れなければ、人生落ちこぼれることはありませんでした。
でも社会全体が豊かになり、住む場所や仕事、あらゆるものを選べるようになった時、私たちは初めて、「人生どうしたらいいんだろう」と迷うようになったのです。
目標を見失っているから、「情熱」がないように見える。全員が1つのゴールに向かって進んでいた時代とは違います。
でも決して、人間の本質が変わってしまったわけではありません。私たちは生まれつき、成長し進化していくことに喜びを感じる生きものなのです。
こんな時代だからこそ自分自身で「情熱スイッチ」を入れ、前向きに成長し、人生を楽しめるようになっていただきたいと思います。
特に、人生の大半の時間をつぎ込む「仕事」で成果を出すことは、本人はもちろん、会社やお客様もハッピーにできますし、それがひいては日本の未来を、明るくすることにもつながるのです。
「情熱」を持てずに迷っていた私自身が、今、それを人に伝える立場になった。こんな私でも変われたのだから、誰でも、いくつになっても「情熱」を持つことは可能だと、一人でも多くの人に知ってもらいたいのです。