賢者の5つの力

1. 共感力
 共感するとは、感謝、同情、寛容などの気持ちを感じたり表したりすることである。共感の対象には自己と他者があり、いずれも大切である。自己への共感が強まれば、他者への共感も深まるのが一般的だ。大半の人にとっては、心の底から自分に共感するのが一番難しい。

 共感力を高めるために、第一のパワーゲームを試してみよう。頭の中でわずか1分でできる「子どもをイメージする」というゲームである。

 運動場で5歳児が遊んでいるのを見たら、知らない子でも共感や愛情を感じるだろう。その理由の一つは、この年齢の子どもが賢者の本質的エネルギーを発散させているからである。不快な感情を生み、可愛げのない大人をつくりあげる妨害者の力が、子どもにはまだ及んでいないのだ。

 このことを利用して、あなたの脳を自分や他人に共感できる脳に変えてみよう。子どもになって、本質を輝き出させている自分をイメージしてみよう。子犬を抱いたり、砂のお城をつくったり、うさぎを追いかけたり、家族に甘えたりしている姿でもいい。ありありとした鮮明なイメージを描けば、すぐに思いやりや共感を抱けるはずだ。本来の性格が輝き出しているような、子ども時代の写真を見つけてくるのもいい。その写真を机の上に置くなり、携帯の待ち受け画面やパソコンの壁紙に貼り付けるなりして、常に目に触れるようにしよう。あなたが自分や他人の裁判官に責められ、あるいは人生の苦難に打ちのめされているとき、そのイメージはあなたの本質が無条件の愛や共感に値するものだということを思い出させてくれる。