最近、街を歩いていると自転車に乗っている人が多くなった気がしませんか。派手な色使いが特徴の本格的な「ロードレーサー」に乗って通勤するサラリーマンを街中で見かけるようになりました。
また、「ミニベロ」と呼ばれるタイヤ径の小さいファッショナブルな自転車で街を散策する自転車も見られます。電動アシスト自転車も原付バイクの出荷台数を越えるほど普及しています。
街中以外でも、自転車の活躍する場面は増えています。サイクリング大会・イベントは環境にやさしいことから全国で増殖中で、年間1000回以上開催されていると言われます。
順位を競う本格的なレースから、散策感覚で街を走る気軽な大会までバリエーションは豊富です。町おこしの一環として実施する自治体もあります。
今回の特集では、二酸化炭素を全く出さない環境にやさしい乗りものであり、有酸素運動により健康増進にも役立ち、交通費もタダという経済性を持つ「自転車」に注目しました。自転車ブームは確実に来ていますよ。
「リーマンショック以降、自転車通勤の人が増えた気がする」。最近、多くの人がそう感じ始めています。健康増進や経費削減のために、サラリーマンが自転車通勤を始めているのです。
そこで編集部では、大手企業180社を対象に自転車通勤に関するアンケートを実施しました。自転車通勤が禁止されている企業は意外と多くて、約半分の企業が全く駄目か、地方を除いて駄目という結果でしたが、一方で駐輪場、更衣室、シャワー室まで完備という、うらやましい企業もありました。
自転車のサラブレッドともいわれるロードレーサーの選び方も解説しているので、自転車通勤を考えている人は必読です。
自転車業界の優良企業・異色企業についても紹介しています。最近、街で多く見かけるようになった「サイクルベースあさひ」の急成長の秘密、自転車部品ではダントツのトップメーカーである世界のシマノの強さ、国産旅客機「YS◯11」の元技術者が作った自転車などのストーリーをお楽しみください。
一方で、自転車事故が少なく、自転車に乗り易い街作りに全国の自治体が取り組み始めています。自転車事故のメカニズムや、事故を防ぐ方法も解説。あなたが自転車に関する法規をどのくらい知っているかをテストするチェックシートも作成しました。
さらにこれから参加できる主なサイクリング大会・イベントを収録。東京にある「サイクリングカフェ」の使い方も紹介しています。
日本人が参加したことで話題になった「ツール・ド・フランス」に熱中したあなたには、日本での自転車レースの観戦の仕方もお教えします。
ツール・ド・フランスで活躍したトップクラスの選手や日本人選手が参加するジャパンカップは、10月に宇都宮市で開催ですよ。
この一冊で、あなたは自転車をまるごと楽しめること、間違いなしでしょう。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 野口達也)