サムスンが、腕時計型コンピュータである「ギャラクシー・ギア」を発売した。
腕時計コンピュータは、グーグル・グラスと並んで「ウェアラブル・コンピュータ」の一種として注目を集めているものだ。ラップトップ、タブレット、スマートフォンから進化して、さらに小型化し、まるで身体の一部になったかのようにモノ感を感じさせないコンピュータの次の姿だ。
腕時計コンピュータは、アップルもマイクロソフトも開発中と噂されるアイテムで、いつもは他社に追従するサムスンが、今回は先陣を切って発売に踏み切った。サムスンは、ニューヨークタイムズ紙などに何ページにもわたる全面広告を掲載し、テレビでは腕時計に向かって話す昔のSF映画などを集めたコマーシャルを放映するという力の入れようだ。
しかし、ギャラクシー・ギアの評価ははっきりと二分されている。
通話とカメラ機能は
おおむね高い評価
まずは、ギャラクシー・ギアがどんな製品なのかをざっとおさらいしよう。
大きなポイントは、ギャラクシー・ギアはサムスンのスマートフォンやタブレット(現在はギャラクシーノート3、新型の10インチ型タブレット)などのデバイスと連動すること。逆に言えば、単体では本格的な機能は使えないということだ。従って、ふたつのデバイスをいつもブルートゥースの通信範囲内に置いておかなければならない。連動させるために、デバイス側に「ギア・マネージャー」というアプリをダウンロードする。
連動する機能のひとつは通話だ。電話をかけたり受けたりするのをギャラクシー・ギアからできる。超小型のマイクロフォンが搭載されており、静かな場所では問題なく通話できるという。だが、騒がしい路上などではうまく聞き取れないというマイナス評価も多い。
テキストメッセージも表示するが、メールは受信したことのみの表示。内容を読むにはスマートフォンやタブレットのデバイスを手に取る必要があるのだが、重要なメッセージはデバイス側の画面に自動的に表示される。音楽もギアからリモートのようにコントロールできる。
ギャラクシー・ギア側だけでできる機能もいろいろある。カメラもそのひとつ。バンド部分にレンズが統合されていて、腕をそちらに向けてシャッターを押す。1.6メガピクセルの画像が撮れる。また15秒間のビデオも撮影可能。音声認識によるメモ取りもできる。話しかければ、それが文字になって保存されるしくみだ。