伝えたい情報を直感的にわかるように、グラフィカルに表現する「インフォグラフィック」。この「相手がぱっとわかるように工夫する」という考え方のクセそのものが、コミュニケーション上手にしてくれるはず。本連載は、情報をよりわかりやすく、という枠を超え、発想そのものを広げるための教科書だと思ってください。どうやってこのアウトプットに辿り着いたか、発想のスタート地点から解説していくことで、「考え方のプロセスと構造」がわかります。第5回はオーケストラの楽器編成と飲食の瓶と缶を掛け合わせました。

ビジュアル本をぱっと見て
ヨコに発想を広げていく

 先日、このコーナーを読んでいただいた情報系の雑誌編集者の方から、インフォグラフィックについて僕のところに取材の申し込みがありました。インフォグラフィックという言葉、概念がじわじわと浸透している肌身感覚がありますね。

 というところで、さっそく今回のインフォグラフィックについて。今回の大きなポイントは、<ラフは完成していて、そこから発想—定着していった>という点です。まずは完成した現物を見ていただきましょう。

グラフィック作成/小宮山秀明
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「瓶と缶」が放射状に並んでいます。今回のタイトルを見ていなかったらわかったかどうか微妙ですが、これは、オーケストラの楽器編成というわけです。

 ここに至るきっかけはこの本でした『楽器—歴史、形、奏法、構造 』ダイヤグラムグループ・編(マール社)。僕は、分類王のチャートクリエイションのために、ある一定ゾーンのものがビジュアル的に網羅された本を見つけると、いかなるジャンルのものでも買っておきます。読むとか調べるというよりは、ぱっと見て一瞬の間にそこからヨコに発想を広げていくためです。