複数のトラブル放置問題で業務改善命令が出されたJR北海道、反社会的勢力との取引があったとして同じく業務改善命令を受けたみずほ銀行――。先月から今月にかけて、企業の不祥事が相次いでいる。どちらにも共通しているのが、社内でトラブルや問題に気づいた人が複数いたにもかかわらず、問題が明るみに出ることがなく、解決に至らなかったという点だ。

 では、自分が勤める会社の不祥事に気づいてしまった場合、会社員たちはそれを指摘することができるのか。ダイヤモンド・オンラインがリビジェン(東京都港区)の協力を得て行った調査によると、「過去にコンプライアンス違反に気づきながらも内部告発・社外通報できなかった経験がある」と答えた人は、500人中105人と約2割に上った。企業の不祥事を放置すれば信用の失墜につながる。そうとわかっていても告発できなかった具体的な理由とはなんだろう。

 調査はインターネット上で実施。調査日は10月10日。調査対象は社会人男女500人。

半沢直樹がいても「関わらない」3割
理由は「面倒だから」

 調査では、みずほ銀行とJR北海道の不祥事について知っていると答えた人のうち、「不祥事を知ってイメージが悪くなった」と答えた人は79%(みずほ銀行)、76%(JR北海道)と多数を占めた。不祥事は信用の失墜に直結するものであり、さらにそれが内部で隠されていたことが分かれば、世間からの目はさらに厳しくなる。しかし、社内の様々な事情から、一個人が告発を行うことはなかなか難しい。

「もし自分の会社や同僚・上司や部下などの行為がコンプライアンスに違反しているとわかったら、どうしますか?」という問いに、「内部告発・社外通報をする」と答えた人は半数に満たない46%。「黙って見過ごす」と答えた人は39%いた。「その他」(15%)は、「注意をする」(33歳男性・技術系・埼玉県など)、「同僚、部下なら注意する。上司なら見過ごす」(32歳男性・営業系・大阪府)、「本人に言う」(41歳女性・事務系など・大阪府など)、「相手による」(29歳男性・技術系・兵庫県)などという回答だった。