自文化学とは、マイ・ブームやカルチャーをオススメし合う。自分にとっての文化的なモノをまったく持っていない人たちは、無趣味・特技者同士で、趣味・特技とされることに片っ端から一緒に挑戦してみる。そうすることで、「一生の趣味・特技」といえる自分文化の発見や創造につながるのではないか。あるいは、挑戦の過程で何かに気づけるのではないかという体験型授業。

 自分哲学とは、これだけは譲れないという「悟り・こだわり」を発表し合うこと。

 奇業学とは、第2、第3のひきこもり大学やニート株式会社のような、「引きこもる」人や「ニート」ならではの視点でのユニークなアイデア・事業・生き方の構想の時間だという。

 すると、参加者からも「武装ニート」という自ら創り出したという造語が紹介された。

「なぜ武装かというと、お金にはならないけど世の中の役には少しは立つのではないかということをやり始めたんですが、1日10時間以上働かされる状況下で、私の体力ではできなかった。引きこもりやニートのようなモラトリアム期間が与えられていたから、自分のような人間にもできたと思う。何となくニートではなく、志を持っている人たちのことをあえて呼ぶなら、武装ニートかなって…」

 自己愛的万能感に浸ったあげく、社会的変革を起こそうと妄想している人たちも、当事者の中には少なくない。だから、その思いを本当に実行できれば、社会に貢献できる活動ができるし、話のわかる法人から出資も受けて、起業家を目指すこともできるのではないかと、これまでとは違うポジティブな話に展開していった。

「直線で行くよりは、回り道したほうが、いい結果に結びつく。あえてニートになることによって、できることが見えてくる」

 と、参加者からの発言が続く。

 NEET株式会社も、そんな思いを基に設立されることになったのだろうか。

終始ポジティブな空気だったニート学部
参加者からは発展的な意見も

 この日、傍聴していた20歳代の一般の女性参加者は、こんな感想を持ったという。

「NEET株式会社が今後、会社として利益を生み出し得るかということが、ひとつの議題になっていました。そのためには、ニートならではの価値をどう社会に発信してかがポイントなのかと思います。社会の役にたつということを核にしている方も多くいるというのも、人間は社会での役割を感じないと心地よく生きていけないのかなと思います。

 その役割が〈お金を生み出す〉ではなく、社会で何かの価値を生み出しているなら、〈仕事〉と呼んでよいのではないのかと考えさせられました。仕事をしてないと言われるニートだからこそ、〈仕事〉そのものの価値を転換し得る可能性があるのではないかと。 ニート学部では、ニートならではの価値をつきつめていくことが1つテーマとなるのかと思います」