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【ITで変わる顧客との関係】
ネットとリアルをつなぐ
古くて新しいキーワード「O2O」

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第7回】 2013年12月16日
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モバイルとソーシャルがもたらすO2Oの変化

 クリック&モルタルが話題となった時代から、こうした取り組みは数多く試みられてきたが、ここにきてO2Oが再度脚光を浴びることとなった背景には、モバイルとソーシャルという技術の巨大なうねりが深く関わっている。

 特に、スマートフォンの爆発的な普及が、顧客のモビリティ(移動性)の増大、そうした顧客に対応するためのマルチチャネル化、GPS機能を活用したロケーションベース・マーケティング、バーコード読み取り機能やおサイフケータイ機能などを使ったビット(電子)/アトム(物理)連携など、多様な顧客価値とその伝達や提供の方法を生み出しており、スマート・モバイルデバイスがO2Oに非常に大きな影響を及ぼしている。

 また、フェイスブックに代表されるソーシャルメディアの普及は、顧客同士のつながりを促進し、経験や感動の伝搬を呼び起こすことでリアルな購買行動の喚起にもつながっている。

O2Oの取り組み事例

 国内におけるO2Oの取り組み事例をいくつか紹介しよう(図表2)

 現時点では、O2Oは、多数の店舗を展開する小売業や飲食チェーンにおいて活発に取り組まれている。スマートフォンのGPS機能やバーコード読み取り機能を活用した事例、フェイスブックなどのソーシャルメディアや自社のEコマースサイトと店舗を連携させる事例など多様な取り組みが見られる。

 また、ポスターに組み込んだICチップ、NFC(Near field Communication)を使った情報の発信・取得、リアルタイム・コミュニケーション・アプリの「LINE」を利用したクーポンの配布など、新規技術や斬新なアイデアを組み合わせた取り組みが日々生み出されている。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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