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スマートフォンの理想と現実

ソニーXperia Z躍進からウィルコム消滅まで
スマートフォンをめぐる2013年の出来事を振り返る

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第57回】 2013年12月26日
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2月:第3のOSがコケる

【概要】
 バルセロナで開催されたMobile World Congress(以下MWC2013)において、iOS、Androidに続く第3のスマホOSとしてTizen、FirefoxOS、そしてUbuntuがデモを実施。だが、いずれのOSも技術的には見るべき点はあるものの、UI/UXやエコシステムにおいて従来のOSを越えるものではなく、総じて期待外れに終わった。

ガラパゴスを脱した日本勢はどこへ行く? 新パラダイムの模索が続くモバイル産業の混沌――2013モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2013レポート【後編】 - ダイヤモンド・オンライン

【解説】
 MWC2013で最も注目されたものの一つが、いわゆる第3のOSたちだった。しかし結論としては、概ね「コケた」と言わざるを得ない。FirefoxOSこそ最終製品にたどりついたものの、Tizenはいまだ日の目を見ることなく、ここまで来てしまった。

 コケた理由はいろいろある。事前の期待が高すぎて、出てきたら「iOSやAndroidと何が違うの?」と思われてしまったこと。ソフトウェアのビジネスモデルも含めたサービスの構築に手間取り、既存の端末に比べて「高値」となってしまったこと。それらに伴う、マーケティングの失敗、等々。

 ただ、おそらく最大の失敗は、エコシステムの構築が困難だということだろう。裏返せば、既存のスマートフォンのエコシステムが、すでにサービス提供者と消費者の双方から、一定程度受け入れられており、新たなスタイルのエコシステムはもはや受け入れづらいということなのかもしれない。

 来年早々には、NTTドコモからTizen端末が投入される見込みだが、こうした「そもそも論的な課題」を、同社を含めたTizen陣営がどこまで克服できるのか。しばし注目したい。

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クロサカタツヤ
[株式会社 企(くわだて)代表取締役、慶應義塾大学特任准教授]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。16年より慶應大学大学院政策・メディア研究科特任准教授。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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