「5年後」ではなく
「2018年」がポイント

 アベノミクスで湧いた2013年も終わろうとしている。この時期に、5年程度の時間軸でアベノミクスを展望することに一定の意義もあろう。ただし、「5年」にする理由は区切りがよいからではない。5年後の「2018年」に重要な意味があるからだ。ポイントは、「2人の総裁」の任期である。

安倍自民党総裁:
「2018年」が最長可能な在任期間

 第一に、2018年は安倍首相の「自民党総裁」としての最長可能な在任期間に当たる。自民党党則第84条は、総裁の任期を3年としている。また同条第4項は、総裁は引き続き2期を超えて在任することはできないとしている。つまり、自民党総裁は連続では最長6年が任期である。

 安倍氏の場合、2012年9月26日の自民党総裁選挙で総裁となったことから、最長可能な在任期間は2018年までとなる。これは同時に、安倍氏が首相でいられる期間も最長2018年までであることを意味する。

 なお、首相という職務自体に任期があるわけではないことに注意したい。あくまで安倍氏の自民党総裁としての任期が、首相としての任期を左右するということである。

黒田日銀総裁:
「2018年」が任期

 第二に、2018年はアベノミクスの「第一の矢」を担う黒田日銀総裁の任期(同年4月8日)でもある。ちなみに岩田・中曽両副総裁も2018年に任期(いずれも同年3月19日)を終える。

 なお、日銀法第24条第2項で、総裁、副総裁、審議委員、監事、理事、参与は再任可能とされているため、黒田総裁が再任される可能性はある。しかし、2018年が1つの区切りとして意識されることに変わりない。