追加の金融緩和もある!?
それでも物価上昇率は2%に届かず

 強気派にも弱気派にも共通しているのは、異次元金融緩和の継続。加えていずれも消費税増税による下押し効果を和らげるために、追加の金融緩和の実施も見込んでいる。ただし、その時期についてはバラバラだ。「消費税増税で景気が減速してから追加緩和しては、以前の日銀と変わらないとうことになる。消費税増税前の1月~3月に追加緩和を行うのではないか」(吉川チーフエコノミスト)から、4月以降のいずれかの時期まで、と見方が分かれる。

 もっとも、消費税増税の影響で個人消費が下押しされて需要が減るだけに、日銀が目標とする2年後に消費者物価で2%(消費税率引き上げによる物価上昇を除く)の上昇は達成できそうもない。その分デフレ脱却=予想インフレ率の上昇→実質金利の低下・円安の効果がそがれるわけで、政府をはじめ、強気派でも2%台の高い成長率を見込んでいるところはない。

安倍政権の右傾化が
最大のリスク要因

 最後にリスク要因を見てみよう。リスク要因としては四つ考えられる。うち一つが海外要因で三つが国内要因だ。

 海外要因としては欧州経済の行方。欧州経済は景気回復基調にあるとはいえ、共通通貨ユーロが抱える根本的問題を解消したとは言えない。欧州経済が後退し、世界経済に悪影響を与える可能性は依然として残っている。

 国内要因の一つ目は、やはり消費税増税によるインフレマインドの低下。「欧米の場合は予想インフレ率が2%程度で安定しているが、日本場合は、いまはインフレマインドが形成されつつある段階。消費税の増税によって、20年間も続いたデフレマインドに逆戻りする可能性がある」(三菱UFJリサーチ&コンサルティグ片岡剛士主任研究員)。そうなると、実質金利は低下せず、アベノミクスの効果が浸透していかない。

 二つ目が輸出構造の変化。長く続いた円高の結果、電機産業は国際競争力を失っているほか、多くの産業が生産拠点をグローバルに展開している。この結果、円安になってもかつてのようには輸出が増えないかもしれない。