2014年の日中関係予想
最善で「膠着の現状」維持

 仮に上記の社説が習近平政権の判断と選択を反映しているとすれば、日本、とくにビジネス界は、尖閣「国有化」事件の悪夢再演の可能性は低そうである。しかし、それで安心するのは、いささか早計と思う。

 2014年の日本外交は、この参拝で視界がきかなくなってしまった。まず、日中関係については、最善でも膠着のまま、つまり、日中間の首脳交流など政治関係は麻痺したまま、経済、文化、観光などで両国の交流が維持される程度に推移するのが望みうる最善のシナリオであろう。

悪いシナリオ1
日本の孤立・日米関係のすきま風

 最善シナリオの傍らには、当然悪いシナリオがある。一つは今回の参拝の結果、日本が国際場裏で味方を減らし、あるいは味方リーグの結束が弱まる、つまり日本が「孤立」していくシナリオだ。

 今回の安倍総理参拝に対しては、世界中どこの国も日本の味方をしていない。批判のほとんどは「地域の緊張を激化させる」を理由としている。防空識別圏の設定以来、国際社会では中国に対する目が厳しくなっていたが、ここでまた逆転してしまった。

 また、日中両大国の争いは、第三国に「巻き込まれまい」とする警戒感を生む。東南アジア諸国などは、局面に応じて一方を支持することで報償を得る「漁夫の利」ゲームに習熟しているが、ここでも今後日本を支持する見返りに求められる報償(経済援助等)の相場は一段と上がるだろう。

 なにより懸念されるのは、今回の件で日米関係にすきま風が吹くことだ。周知のとおり、米国は今回の安倍参拝に対して“disappointed(がっかりした)”とコメントし、それは安倍参拝が「東アジア地域の緊張状態を悪化させる」からだと強調した。

 これに対して、日本国内には反発の声も挙がっているが、米国の置かれた環境をもう一度見直してみる必要があるのではないか。