ただ、今までは利用者が極端に少なく、1000万人に1人の割合でしか利用されてこなかった。全サラリーマンが約5500万人いる中で、平成20年の利用者数はたったの6人だ。平成19年で7人、平成18年で9人、平成17年で13名、平成16年9名、平成15年10名だった。

 このため、2013年から特定支出の範囲、資格取得費、職務に必要な勤務必要経費を追加した。勤務必要経費とは、職務に通常必要な交際費、職務に関連のある図書の購入費用等が該当し、給与収入額にかかわらず、年間65万円を限度とする。

 また、給与所得控除額に加算できる金額は、給与収入1500万円以下の場合は給与所得控除額の1/2を超える金額 。1500万円超の場合は、一律125万円を超えた部分の金額である。例えば、年間給与収入500万円、特定支出100万円の場合、特定支出控除対象額は給与所得控除額(154万円)の1/2を超えた金額となるので、23万円(100万円-154万円×1/2)となる。

 なお、資格取得費や勤務必要経費は、領収書だけでなく、それが特定支出であることについて勤務先から証明書を発行してもらう必要がある。

 これまで、特定支出控除制度がほとんど使われていなかったのは、範囲が限定的であるということだけでなく、給与所得控除額がきわめて大きかったためである。今後、給与所得控除額が絞られていく中で、会社に証明書を発行してもらわなければならないという手間はかかるが、それが大丈夫であるならばぜひ活用してもらいたい。