知っている人だけがトクをする医療費節約の裏ワザ。
家族全員で年間10万円以上の医療費かかった場合にはぜひ確定申告を!税金が戻ってきます。その「医療費」の対象は、薬局で風邪薬の購入や、病院へ行くときの交通費、レーシックの手術など幅広い項目が認められています。家族の誰かが手術をしたら、まとめてその年に歯などの治療をして、翌年、確定申告するのも節約になります。

また、子どもはよく熱を出したり、ケガをしたりして病院へ行きますが、子どもの医療費は住んでいる場所で大幅に変わることをご存知でしたか?
今回は『読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』から抜粋して、内容をご紹介します。

家族の医療費が1年で10万円を超えたら
確定申告でお金を取り戻そう

 1年のうちに夫が健康保険のきかない歯の治療をして、妻が虫垂炎で入院したXさん一家。「翌年の確定申告で、医療費控除の申請をしたら所得税が約3万1000円戻ってきました。支払った額には及ばないけれど、少しでもお金が戻って助かりました」

 医療費控除は、医療費がかかって大変だった家庭の税金を優遇してくれるというもの。原則的に1年間に支払った家族みんなの医療費が10万円を超えたら、医療費控除の申告ができます。

 通常、サラリーマンは会社の年末調整で一応の税額が決まっていますが、医療費がかかったかどうかは人それぞれ。会社では対応しきれないので、個別に確定申告をして所得税を払い戻す仕組みになっています。所得税の確定申告をすれば、自動的に住民税にも反映され軽減されます。

 Xさんの場合、夫が健康保険のきかない歯科治療で40万円を支払い、妻が虫垂炎の手術・入院で最終的に10万円を自己負担したので、合計50万円の医療費がかかりました。このうち、控除の対象になるのは、医療費から一律に10万円を差し引いた金額。さらに民間の生命保険などから補てんされたお金があった場合(Xさんの場合は9万円)は、それも差し引きます。この金額に自分の所得税率(収入に応じて10~40%)を掛けたものが還付金の目安になります。

「うちは10万円も医療費を使っていない」と思っていても、ドラッグストアで買った風邪薬や胃薬、医師の処方による漢方薬、病院までの交通費、レーシックの手術費用など意外なものも認められます。これらを合計して10万円超えていたら、誰でも医療費控除を受けられます。ただし、10万円を少し超えた程度だと、ほとんどお金は戻らないことも。

 還付金は自分が納めた所得税の範囲でしか戻りません。そのため、住宅ローン控除も受けて所得税がゼロになっている人は医療費控除をしても還付金が増えないこともあります。

 ただし、医療費控除は、かかった医療費を暮らしに必要な経費として収入から差し引くことで課税所得を少なくする制度なので、住民税を安くすることもできます。住宅ローン控除で所得税がゼロでも、医療費控除をすると住民税を減らせるので、少し面倒でも申告することをお勧めします。
確定申告の受付は、原則的に2月16日~3月15日の間です。いざというとき、慌てないで済むように、病院や診療所でもらった明細書、薬屋さんのレシートなどは捨てずに保管しておくようにしましょう。