年末年始の暴飲暴食の影響が残っている皆さん──特に2型糖尿病or予備軍の方は意識して健康的な食習慣に戻しましょう。昨年末に開催された世界糖尿病学会から食に関する話題を。

 穀物など炭水化物の摂り過ぎを巡る論争が続いているが、「お米の国」の住民としては炊きたてご飯なしはつらい。何か抜け道は? と思う気持ちは「ライス」が主食のインドでも同じらしく、白米vs玄米食の比較試験が行われていた。

 報告者のV.Mohan博士らは、非糖尿病でBMI23以上(日本ではプチ肥満~肥満)の肥満者150人を二つのグループに分け、片方に白米を中心とした普段の食事を、もう一方に玄米食を中心とした食事を3カ月間続けた後、双方の食事を入れ換えて、さらに3カ月の間観察を続けた。

 その後、白米食群と玄米食群の24時間の血糖変化を見たところ、玄米食群は平均血糖値が低く、変動量も小さかった。次に被験者の一部に白米食、玄米食、玄米+豆食の3パターンをそれぞれ5日間食べてもらい、24時間の血糖値を比較した。その結果、24時間の血糖変動量は白米食より玄米食が、玄米食よりも玄米+豆食で有意に小さくなったのだ。

 近年の研究では、血糖の急激な上昇が血管や体内の組織を傷つけることが解っている。そのため、食後に血糖を急上昇させやすい糖質や炭水化物の制限がいわれているわけだ。ただ一方で、極端な糖質制限に警鐘を鳴らす声も根強い。

 侃々諤々の両者の間をいくのがGI(グリセミック指数)の低い食物を摂る方法。GIは、ブドウ糖を直接摂った後の血糖上昇率を100として、他の食品を摂取したときの血糖上昇率を百分率で表した数値を指す。GIが低いほど、血糖上昇率が抑えられる。ちなみに、炊いたご飯のGIは60~69、玄米は50~59。また豆類は代表格の大豆の30を筆頭にインゲン、枝豆なども軒並み50~40以下である。

 V.Mohan博士は「お米文化の国では白米を玄米に替え、タンパク質と食物繊維豊富な豆をおかずにするといい」と述べている。やっぱり、玄米ご飯に大豆の炊いたんが最強の抗糖尿病食らしい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

週刊ダイヤモンド