この正月休みに海外へ旅行する人も多いだろう。観光を楽しむだけでなく、休暇を利用して海外のビジネスシーンを体験してみる。そんな時間の使い方もワークスタイルを考える良い機会になるのではないだろうか。
いま海外では、企業が自社オフォスの見学ツアーを実施するケースが増えている。靴のオンライン販売で急成長を遂げた米国「Zappos」が主催するツアーでは、1時間の無料見学に加え、50ドルで社員に質疑応答ができるオプション、人事や採用に関する1日トレーニングを受けられるコースなども用意されており、人気を博しているという。
見学だけでなく、実際に現地のワーカーと同じ空間で働いてみる、ノマド気分を体感してみるのも面白いかもしれない。そんな時に活用をお勧めしたいのが、「ShareDesk」だ。
ShareDeskは、オフィスやコワーキングスペースのマッチングサイト。現在、北米を中心にヨーロッパ、アジアなど五大陸、50ヵ国、300都市、1000軒近いオフィスが登録されている。
物件を所有する事業者は、オフィスの空きスペースや空きデスク、会議室、ミーティングスペースなどの貸し出し状況を投稿。借りたいユーザーは、FacebookかLinkedInのアカウントでログインする。利用したいスペースが見つかったら、サイト上でそのまま予約が可能だ。
例えば、ロンドンで検索すると33の物件(12月17日現在)が表示される。そのほとんどがコワーキングスペースである。
営業日、営業時間、部屋数、利用料などの基礎データの他に、Wifi、モニター、ロッカー、ミーティングルーム、シャワー、ドリンクサービス、キッチン、バーといった施設やサービス、アメニティが詳細に表示されている。訊きたいことがあれば、サイト上から各施設のオーナー、マネージャーに直接質問することも可能だ。
利用期間は、最短1日から1ヵ月単位まで選択が可能。観光での“お試し利用”だけでなく、長期出張時などにもフレキシブルに活用できる。
コワーキングスペースにドロップインして、その土地の空気を体験するだけでも面白いだろうが、できれば現地のワーカーと交流してみることをお勧めする。欧米では、コミュニティランチ会やイベント、ビジネスワークショップを頻繁に開催している施設が多い。スケジュールを確認し、集まりに参加してみると、交流も生まれやすくなるだろう。
実際、ITやWEB関係のノマドワーカーの中には、このサイトを活用し、日本と海外を往復しながら現地のワーカーとコラボレーションをしてプロジェクトを進めている強者も少なくない。海外のコワーキングスペースの場合、なんといっても利用料の安さが魅力だ。
同様のサービスに、「LiquidSpace」もある。こちらは、アメリヵ国内限定のオフィスレンタルサービス。既存オフィスの空きスペースや公共施設などの登録も多い。
また、「Coworkify」もコワーキングスペースを中心としたマッチングサイトである。こちらは日本発のサービス。国内の施設が充実しているが、海外へも拡大中だ。
海外で仕事をするだけならば、ホテルのビジネスセンターが便利ではあるが、現地のワーカーと交流し、輪を広げていきたいならば、コワーキングスペースが最適である。多様な職種やジャンルのワーカーと会話するだけでも、ヒントを得ることはあるだろう。
(吉田由紀子/5時から作家塾(R))