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データサイエンティストの冒険

サプライチェーンに差をつけるデータサイエンス

工藤卓哉 [アクセンチュア]
【第10回】 2014年2月18日
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欠品率を下げたまま、アイテムごとのばらつきも抑え
在庫の保有日数を下げる

 これは単に在庫を増やして欠品を抑えたということではなく、アイテムごとにばらつきのある欠品率と在庫保有日数(下の図では、右上にいくほど在庫が多くかつ欠品率も高い、左下は少ない在庫でも欠品の出ない望ましい運営を示す)の関係だったものを、AFSの導入3週間後では、欠品率を下げたまま、アイテムごとのばらつきも抑え在庫の保有日数を1週間程度下げた結果となっています。

AFS導入による欠品の解消事例~導入店舗の前後比較
余剰在庫の商品は補充されないため、欠品だけでなく在庫保有日数も下がっています。 ※在庫保有日数:現在の販売ベースで何日間在庫が持つかを表す指標
出典:アクセンチュア
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 ここまで小売店での事例を紹介してきましたが、AFSの導入実績には、ハイテク製造業、流通・小売業、通信業などがあり、また、日本国内にとどまらず、海外でも導入の実績があります。一般的な商品補充だけでなく、BtoBでは、部材メーカーと完成品メーカー間での最適補充数計算や、BtoCでは、メーカーのアフターサービス、サービスパーツの補充業務に対しても適応可能となっています。

 数回にわたって、「アナリティクスを武器にする」「ビジネスに使えるデータサイエンス」として、ビジネス活動において、ソーシャルメディア情報に基づいた業務処理、商品のレコメンド機能、ウェブサイトの最適化など、データサイエンスを有効活用して新たな競争優位性を確立する具体的な手法を紹介してきました。データサイエンスに本腰を入れて取り組もうというきっかけになってくれることを願っております。

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工藤卓哉
[アクセンチュア]

Accenture Data Science Center of Excellence グローバル統括 兼
アクセンチュア アプライド・インテリジェンス マネジング・ディレクター
ARISE analytics Chief Science Officer (CSO)

慶應義塾大学を卒業しアクセンチュアに入社。コンサルタントとして活躍後、コロンビア大学国際公共政策大学院で学ぶため退職。同大学院で修士号を取得後、ブルームバーグ市長政権下のニューヨーク市で統計ディレクター職を歴任。在任中、カーネギーメロン工科大学情報技術科学大学院で修士号の取得も果たす。2011年にアクセンチュアに復職。 2016年11月より現職。 データサイエンスに関する数多くの著書、寄稿の執筆、講演活動を実施。


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近年テクノロジーと数理モデルによってもたらされるアナリティクスが、ビジネスを大きく変えようとしている。データの高度な活用から次の打ち手を見出す力、アナリティクスの決定的な優位性を最前線から解説する。

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