15年までに表示義務化か

現行法では、製造所固有記号を表示していれば、製造者名の表示義務はない。今後、義務化となるのか(左はイオン、右はセブン&アイの緑茶飲料PB商品)
Photo by Ryosuke Shimizu
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 森大臣の指示を受けて、消費者庁ではこの制度の改定に踏み込む。現在、消費者庁では、13年6月に成立した食品表示法(食品衛生法、JAS法、健康増進法の3法での食品表示にまつわる法律を統合した法律)の15年の施行に向け、加工食品の表示の細目ルールを決めている最中。このルール作りの中で、製造所固有記号制度についても、「記号だけではなく、製造者や製造工場についても、何らかの形で表示する」方向で検討する見込みだ。

 実はこれまでも、「PBに製造者名を表示するか、しないか」は、日本の小売業界内で激しく対立してきた。

 PBで先行した欧米では、「製品の販売責任は販売と企画を担当した小売りが持つ」という意味合いで販売者名のみが記載されているのが一般的。日本では、イオンや西友などはこの方式を採る。

 一方、セブン&アイや生活協同組合などは、販売者として、製造委託先名を記載している。情報開示の面から表示すべきという考えである。

 現状の規制ではどちらでもよく、小売企業の自主判断で、併存している。

 非表示派は、「“ダブルチョップ(小売り名と製造者名を併記すること)は、販売責任を製造者に押しつけるもので、PBと呼べない」と非難してきた。

 これに対して、表示派は、「流通業界のさまざまな方からご意見をいただいたが、なによりもお客さまから製造者名を知りたいというニーズが強かったので、採用した。今回のような事故の際、この方式は役に立つ」(鎌田靖・セブンーイレブン・ジャパン取締役)と言う。

 ただしイオンでも今回の事件を機に、「PBの企画・販売に責任を持つという意味で、販売者名を表示する考え方は変わらないが、何らかの方法でお客さまに製造者名がわかるやり方を検討する」としている。

 農薬混入というフードテロをきっかけに、食品の表示ルールが変わり、小売業界に大きく影響する可能性が出てきた。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)

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