驚異的成長遂げたタオバオのアリペイ

 しかし、今年の春節になんと私は3回も紅包をもらった。本当に信じられないことだ。中国版SNSのひとつである微信(WeChat)で繋がっている友人たちからもらったものだ。中国版SNSには、主に2大勢力がある。新浪網(Sina.com)の微博(ミニブログ)と騰訊(Tencent)の微信(WeChat)だ。新浪網(略して「新浪」と呼ぶ場合が多い)と騰訊は中国のIT業界の2大ポータルサイトを運営しているだけに競争も激しい。携帯電話がパソコンを制して主流になるのを見越して、ここ数年は、ソーシャルネットワーク・サービスの分野で激しくぶつかりあっている。

 一方、人々の消費生活を見ると、IT業界の風雲児である馬雲氏が率いるB2Bのプラットフォーム・アリババとそのアリババが出資して開設した個人消費者向けの電子商取引プラットフォーム・淘宝網(タオバオ)がネットショッピング分野で雄々しく台頭し、世界に頭角を現している。特に個人消費者をターゲットとするショッピングのWebサイトである淘宝網は国境を超えて中国の個人消費者や製造メーカーと世界の消費者や製造メーカーとを繋いでいる。中国版の楽天と言えば、日本の読者にはそれなりのイメージが湧くかもしれない。

 しかし、ネットショッピングを中国で展開するためには、一大難関が横たわっている。信用問題だ。買い手はネットだけで商品を確認することに対しては不安に思う。一方、売り手も商品を届けてからでは代金を問題なく回収できる自信がない。そこで淘宝網をスムーズに展開させるために、アリペイ(支付宝・Alipay)という決算方法を開発した。つまり、買い手はネットでとある商品を買おうと決めた時点で、その代金をアリペイに預ける。商品が届いて内容を確認して問題がなければ、受け取ることを承認する。その時点で取引が成立したと見なされ、アリペイから代金が売り手に支払われる。アリペイが一種の信用保証になっているのだ。

 第3の決済手段としてアリペイの成長スピードは驚異的なものだ。2012年末の時点で、アリペイに登録しているユーザー数はすでに8億人を突破し、一日の取引金額が最大の場合、200億元を超え、一日の取引回数が1億0580万回を記録した。アリペイは中国最大のオンライン決済会社となり、中国のオンライン決済のシェアの大半を制した。中国のビジネス現場の隅々までにアリペイが浸透していると言っても過言ではない。