「出戻らせていただくことになりました。短い期間ですが、他人の飯を食べて、この会社の良さが実感できた気がしています。新たな気持ちで頑張りますのでよろしくお願いいたします」

 あの強気な態度はどこに行ったのか?「Kさん変わったね」とその変化に誰もが戸惑う状況。この謙虚さは、果たして続くのでしょうか?

 ちなみに、最近は社員の出戻りを認める会社が増えているようです。なかには社員の1割が出戻りという驚くべき会社もあります。まさに隣の芝生が青くみえたけど……青くはなかった、という現実が出戻りを決意させるのでしょう。

 ただ、会社を辞めるときの辞め方が悪ければ、決して出戻ることはできません。取材したあるシステム関連企業の人事部によると、

・仕事をほったらかして辞めた
・辞めた後に前職の悪口を言っている

 というこんな社員には出戻りなど許されません。立つ鳥跡を濁さずの姿勢があれば、出戻りを受け入れる職場も寛容になれるもの。ちなみにKさんのように、啖呵を切って退職した後の出戻りは少々、気まずい状況であるかもしれません。

「あれだけ批判的なこと口にして辞めたくせに、どの面下げて出戻る気なんだ」

 と、Kさんの出戻りに不満を感じる同僚もいるようです。

 ただ、出戻りを受け入れる会社にもそれなりの理由があって容認したのも事実です。例えば、様々な人事部に取材してみてもわかるように、人手不足な状態にあるなかで、会社の仕事のやり方を理解している人材は即戦力として貴重な存在であるのは間違いありません。さらに別の職場を経験したうえで、そのノウハウを社内にフィードバックしてくれれば、刺激を提供してくれるので、むしろ有難い存在とも言えます。

 ちなみにKさんが出戻りを決意したのは、

・辞めて自分の会社の良さがわかった
・これまでのやり方が通用しなかった

 から。大いに反省をして、格好悪いことはわかっていれも、出戻りを決断したようです。当然ながら批判的な同僚がいるのはわかっています。ゆえに、

「仕事で結果を出して、会社に貢献したい気持ちで一杯です」

 と謙虚な姿勢を示すばかり。出戻った職場で以前なら偉そうに接していた後輩たちに対しても「いろいろ教えてください」と接していくと、周囲も「そろそろいいんじゃないの」と、Kさんの出戻りを許す雰囲気が流れるようになっていきました。