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巨額協賛金のメリットは?
2014年2月7日、ソチ冬季オリンピックの開会式が催されました。23日まで冬の熱戦が繰り広げられます。私もオリンピック観戦が大好きで、連日好きな選手の活躍に目を見張っているわけですが、今回のオリンピックに関しては、それ以上に目に付いたあるニュースの存在が気になっているのです。
ソチオリンピック組織委員会によると、今大会では、協賛企業などからのマーケティング収入が13億ドル(約1330億円)以上に達し、冬季オリンピック史上最大規模となるというのです。これは4年前のバンクーバーオリンピックの1.5倍以上の金額だそうです。
オリンピックの公式スポンサーであるオフィシャルパートナーは、国際オリンピック委員会(IOC)と契約する「TOPパートナープログラム」、各国のオリンピック委員会、日本の場合は日本オリンピック委員会(JOC)と契約する「JOCパートナーシッププログラム」などです。
与えられる主な権利は、オリンピックマークと「公式」呼称の使用権で、パートナーのランクによって、これらが使用できるエリアが異なります。
ソチオリンピックの開催期間中にIOCと契約しているTOPパートナーは、コカ・コーラ、パナソニック、P&G、サムスン電子、VISAなど10社で、その契約期間中の協賛金額は、1社あたり70億~120億円にも上るといわれています。
いくらオリンピックとはいえ、これほどの金額を企業が負担するメリットはどこにあるのでしょうか? サッカーのワールドカップとは異なり、競技場内で社名や製品を露出することは禁じられているため、当然ながら競技中の選手と一緒に社名や製品が世界中にテレビ放映されることもありません。
それでも企業は、オリンピックが「非常に効率よく、自社のブランドをアピールできる機会」と捉えているようです。それは、「国の威信を背負ったアスリートたちが多様なスポーツ種目で真剣勝負に挑む唯一最高の場」というオリンピックにしかない求心力が、想像を超えるほど多くの人の心を動かすからにほかなりません。