スマートフォンやタブレット端末が普及し、外出先や移動中でさえデータ容量の大きな動画コンテンツを楽しめる環境が整いつつある。この市場に向け、放送業界に限らず、通信・IT・エンタメ業界などのさまざまな企業がコンテンツサービスを開始している。消費者にとっては選択肢が増えるのはよいことだが、一方でどれを選べばよいか迷う人は多いだろう。

 そこで今回は、スマホで動画コンテンツを楽しめる「スマホオンデマンド」に絞って注目のサービスをご紹介する。日本時間の深夜に競技が放送されるソチ五輪だが、これらのサービスを利用すれば、翌日の通勤電車内や休憩時間に気軽に試合をチェックできるだろう。

ソチ五輪専用スマホ番組は
地上波で放送しない種目も中継

民放テレビ局が共同で運営する「gorin.jp」のスマホアプリ画面(イメージ)

 民放キー局5社をはじめとする民放テレビ132社による共同公式動画サイト「gorin.jp(ゴリンドット・ジェイピー)」では、ソチ五輪期間中に観戦をサポートするスマートフォン(iOS/Android)向けの無料アプリの提供を行っている。

 各日の見どころをまとめた3分のハイライト動画をはじめ、それぞれの競技や試合の動画も配信。また、地上波やBSテレビで放送しない種目についてインターネットで生中継も行う。

 さらに、地上波やBSテレビなどのオリンピック放送予定を確認したり、番組表などから見たい競技や選手を登録すると、該当の番組が始まる前にアラームで通知される機能も搭載。放送予定をスマホのグーグルカレンダーへの登録する機能もある。また、放送中の競技について、ツイッターで盛り上がっている注目ワードをリアルタイムで知ることもできる。

NHK、民放の人気ドラマも
スマホで見放題

 一方、民放キー局5社と電通が共同で推進するオンデマンドサービス「もっとTV」では、Android端末から放送局を横断してコンテンツを視聴できる。従来はコンテンツ視聴ごとに料金を支払う単品購入の形式のみだったが、今年1月からは新たに月額945円の「もっとTV 月額見放題パック」を開始した。民放キー局5社のコンテンツが揃った月額見放題サービスの提供はこれが初めてだ。スポーツだけでなく新旧の人気番組が楽しめるので、テレビファンにはうれしい。

 月額料金のパックでは、TBS金曜ドラマ「夜のせんせい」など最新ドラマのほか、日本テレビ「はじめの一歩」、フジテレビ「名前をなくした女神」、テレビ朝日「時効警察」など、選ばれた300前後のエピソードを視聴することができる。パック以外には、2013年12月末現在でドラマやバラエティなど、約1万5000エピソードをラインアップしている。

 NHKもスマホのオンデマンドサービスを提供している。NHKの4つのチャンネル(総合、Eテレ、BS1、BSプレミアム)で放送している番組の中から、「大河ドラマ」や「連続テレビ小説」などの番組を放送の当日または翌日から14日間程度配信。さらに、過去に放送され保存されているドラマや「NHKスペシャル」やかつての「NHK特集」といったドキュメンタリー番組など約4000本の番組を配信している。なお、NHKオンデマンドは上記の「もっとTV」でも視聴可能だが、料金はもっとTVとNHKで別々に支払うことが必要だ。

 テレビで放送された動画コンテンツではなく、「映画」もスマホで楽しみたい人には、「Hulu」や「TSUTAYA TV」などのサービスが人気だ。配信されているコンテンツの内容や量、料金体系、金額については細かくチェックしてからの利用をオススメしたい。

岡 徳之/Noriyuki Oka Tokyo5時から作家塾(R)