営業マンがもっとも気を遣う「クロージング」。商談成立まであと一歩で、クロージングがうまくいけば、成約という段階。しかし、タイミングを間違えれば、いままでの苦労が水の泡になる。そのために必要なのが、やはり「質問」なのである。
クロージングはタイミングがすべて。
だから、お客様をテストするのです。
営業における「クロージング」とは、多くの場合、最終の契約を意味します。それは、お客様が自ら購入の意志を固め、決済するということです。当然、支払いが発生しますので、お客様にとって、この時の気持ちは非常に繊細で揺れ動いています。
そして、この時に営業マンはお客様の傍らで、その決定の手助けをします。この営業の「クロージング」で難しいのは、タイミングです。そのタイミングを間違うと、お客様に押し売りになったり、買う気を失わせたりするのです。
営業マンはこのタイミングを見つけることと、つくることが重要です。
営業マンが使う手法として(第2回にも登場した)「テストクロージング」という方法があります。これは「クロージング」に入るかどうかのテストです。実はこのテストクロージングそのものが、すべて質問なのです。
質問型営業が非常に効果的であるのはまさにこのクロージングの場面です。
ミサワホームの関連会社でリフォームを事業とするミサワホームイング近畿株式会社の明上千恵氏は、質問型営業の研修でこの「クロージング」のポイントを身につけられた一人です。業績をアップさせたことはもちろんですが、営業の中でのあり方に大きな変化があったと聞きます。
「クロージングの仕方がよくわかりませんでしたが、テストクロージングという手法を使って、プレゼンテーション後にお客様にどんな感じかを聞くだけでいいとわかったのです。商談後、『今日の話を聞かれて、どんな感じですか?』というふうに聞いていると、いろいろと意見や感想を言っていただけるようになりました。何か注文があるならば、『ではここをこういう風に変えますか?』と聞きます。何もなければ、『では、これでいきましょうか?』でいいのです」