国に先がけ2020年までにCO2排出量25%の削減目標に向かって走り出した東京都。住宅用太陽エネルギーの促進で100万キロワット達成を目指す。手始めは2年間で90億円を投じ、4万戸への普及を推進。4月開始を前に補助事業の仕組みと、都の目指す環境配慮型の都市モデルを追った。
「10年後の東京」が
CO2削減へのスタート
東京都の家庭用太陽光発電への補助事業がいよいよスタートする。現在、日本の太陽光発電の発電量は、国の補助金政策の転換でトップの座を奪われ、ドイツやスペインの後塵を拝している(年間発電量、累計発電量ともに)。だが、東京都はかねてより独自にCO2削減の政策課題について検討を進め、09年度より、太陽光発電の本格普及に着手する。
都のCO2削減への取り組みは早い。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の三次報告を受け、CO2削減の問題意識を共有した。06年9月都議会で石原都知事は、今世紀半ばまでに地球規模でCO2を半減する必要性を強調。東京が世界にアピールできる都市モデルとなり、地球規模のCO2半減に貢献することを表明した。
具体策は3ヵ月後に公表された「10年後の東京」に盛り込まれている。20年までに、00年比でCO2、25%の削減目標を設定。戸数換算では約33万戸に太陽光発電や太陽熱利用機器を普及させ、火力発電所一基分に相当する100万キロワットの太陽光エネルギーに切り替える考えだ。
注目したいのは、世界にアピールできる都市モデルをつくるという点。このビジョンまでのプロセスを、東京都環境局環境政策部の小原昌課長は次のように説明する。