嫁ブロックにはどう対応すべきか
「離婚」という切り札も

 妻の反対が高じて「転職するなら離婚します!」というところまで発展する場合もあります。このケースもそうで、私はこんなアドバイスをしました。

「離婚したらどうですか。ちょうどいい機会じゃないでしょうか」

 候補者である夫は自分なりの夢とロマンがあって、現実の生活と折り合いをつけながら転職先を決めるというプロセスを経て、むちゃくちゃやる気になっているわけです。希望に満ちあふれ、生き生きとしている夫を目の前で見ているのに年収がちょっと下がり、転職先が自分の知らない会社だからといって離婚を切り出す妻は、ぜったいにイマイチだと私は思います。

 しかし「離婚すればいい」というと皆さんひっくり返るので、嫁ブロックへの対策としてはこんな風に説得するようアドバイスしています。

「夢も希望も持てなくて、むりやり頑張らないと働けない会社につらい顔をして毎日出勤している俺を見て、君は辛くないか。一瞬、ちょっと給料は下がるけれど、毎日嬉々として働いている俺のほうがいいと思わないか」

 ちなみにこのケースでは説得が通用せず、最終的に転職せず、離婚もせずという結論に落ち着きましたが、その後のことはわかりません。

 実は嫁ブロックを発動するのは専業主婦がほとんどで、共働きの場合はありません。それは自分自身が稼いでいるからというより、自分が企業で働くことを通じて会社や仕事の本質を肌身でわかっているからだと思います。

 共働きの妻は規模の大小にかかわらず企業の将来は不透明で、勤務先のネームバリューより自分のエンプロイアビリティを高めていく働き方が大事であるという認識があり、「仕事は自分が楽しくやれることが一番大切」という感覚も備わっています。すなわち、夫や我々と共通の肌感覚を持っているから転職に反対しないのです。