3.持たざる経営を目指す
日頃から、社長の方々に設備投資の相談を受けます。その最たる例が自社ビル・自社倉庫・自社工場の取得に関するお話です。
個人の方がマイホームを持ちたいと思うのと同じで、自分の会社が所有する建物が欲しい、設備が欲しいという想いは、理解できないわけではありません。
ですが、会社経営において、固定資産を多額に持つということは、大きなリスクを背負うことに他なりません。
というのも、設備投資には借入がつきものです。実際に、自社ビルなどの取得後に、この借入の返済元金の負担が原因で、資金繰りを圧迫してしまうケースが良くあります。また、全額自己資金で買う場合でも、その資金が固定資産に変わってしまうことで、大幅に手元資金が無くなってしまいます。これも大きなリスクです。
さらには、固定資産を取得することで、その事業が不採算になってきたとしても撤退しづらくなります。すんなり売却できることは稀ですし、仮に売却できたとしても取得価格からは大幅に下落した金額での売却となります。
一方、「持たざる経営」を目指すと、月額のランニングコストは継続的に発生しますが、会社や事業の規模の増減に応じて、経費も増減させることが可能になります。
世の中は常に変化しています。世の中の変化に対応していくためにも、手元資金を潤沢に持って「持たざる経営」に取り組まなければなりません。