先週の日経平均株価は、週初に年初来安値を更新したものの週末にかけ上昇した。前週に米国のベア・スターンズ証券が資金繰り不足を引き起こし、NY連銀は緊急融資枠を設定した。これら一連の事件が金融システム不安を連想させ、米国株式が急落、日経平均株価も2005年8月9日以来の1万2000円割れとなった。その後FRBがFFレートを0.75%引下げ、追加の金融緩和に含みを持たせたことから、米国株が急騰、為替も100円台を回復した。これらを好感し週央には1万2000円台を回復。週末もこの流れを引き継ぎ、結局前週末比1.97%高い1万2482円で引けた。
規模別には小型株の戻りが大きかった。マザーズ指数も前週末比4.29%の大幅な上昇となった。業種別には、小売・鉄鋼・銀行など直近売り込まれた業種の上昇が目立った。一方で国際商品市況が急落しているため、鉱業・非鉄など関連業種が前週比マイナスとなった。
今週の予報
工作機械業種:
受注額の前年比増加率は鈍化し
「晴れ」→「曇り」
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今週の日経平均株価は下値を切り上げていく展開を予想する。米国FFレートが2.25%まで引き下げられた。物価上昇率を勘案すると、実質金利はほぼ0%となった。前回の実質金利0%は同時テロ事件後の2001年9月。ここから住宅バブルが始まった。これまで市場は金融緩和に冷淡であったが、ドル円が一時95円台を付けたものの100円台を回復、5円逆行するなど、ドルに対する信任も回復しつつあるようだ。投資家のリスク回避度が高く、割安でも株式相場には手が出ない状況であったが、これも段々と緩和されてこよう。一方で戻り売りも厚く、大幅な上昇も考えづらい。