「負けたほうが、勝ったほうにビールを1杯おごる」。ソチ冬季五輪の大会期間中、米国のバラク・オバマ大統領と、カナダのスティーブン・ハーパー首相のトップ同士がそんな賭けをするほど盛り上がったのが、北米を中心に圧倒的な人気を誇る男子ホッケーの準決勝(米国対カナダ)だ。

 結果としてカナダのチームが勝ち上がって王座に輝くが、尋常ではなかったのがインターネットによる視聴者の規模だ。

 オンライン中継を担った米テレビネットワーク大手のNBCによると、同試合だけで約210万人のユニークユーザーが試合を観戦するためにアクセス。通信データ量(最大3.5ビット毎秒)で見ると、2年前、ロンドン五輪で最も注目された男子陸上100メートル走でウサイン・ボルト選手が優勝したレースの4倍近くを記録したという。

24日に閉幕したソチ冬季五輪は過去に類を見ないほど多くのオンライン視聴者とデータ通信量を記録した
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 国内でも、日本放送協会が特設サイトを設置し、生中継のみならず、名場面を繰り返し視聴できるサービスを展開。民放キー局などテレビ関連132社による公式動画サイト「gorin.jp」では、観戦をサポートするためのスマートフォン向け無料アプリも提供した。

 現実の試合会場では、観客をスムーズに誘導するのが安全面で欠かせないように、ネット上でも殺到するアクセスの処理は企業側にとって死活問題になる。失敗すればサイトはまひして、多大な損失につながる恐れがあるからだ。

 実は、この激増するネットの“交通量”をパンクしないよう一手に支えているのが、米MIT(マサチューセッツ工科大学)の数学の研究者らが立ち上げたアカマイ・テクノロジーズというIT企業である。