自国の創薬ベンチャー起源による主要製薬会社の開発品目数も米国334品に対し、日本はわずかに10品となんとも寂しい。

 自治医科大学の間野博行教授が肺がん患者の治療に役立つ画期的な遺伝子を発見したときも、国内製薬会社ではなくファイザーが開発して「ザーコリ」という製品名で発売した。これについて、「日本のアカデミズムの成果を海外企業に持っていかれた」と嘆く業界関係者も少なくない。

 がんの領域では今、「免疫チェックポイント阻害薬」という有望視されている新薬候補がある。小野薬品工業が種を持っており米企業と組んだ。その会社を買収した米製薬大手のブリストル・マイヤーズ スクイブが現在の小野薬品のパートナーとなっている。結局このタイプのクスリで日本メーカーは山口氏の言う“蚊帳の外”だ。

 生みの親にも育ての親にもなれない新薬メーカーは、生き残っていけない。今ある製品にすがりついて営業やマーケティングばかりにカネを投じても、明日の種は育たない。


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頼れるクスリを知る決定版

 製薬業界および周辺の不祥事が重なり、クスリへの不安を抱く患者もいるなか、『週刊ダイヤモンド』3月29日号は「頼れるクスリ」を大特集しました。

 頼れるクスリとは何でしょうか。

 例えば、山のようにある高血圧症治療薬のなかで頼りになるのは、安全性が高く、血圧を下げる力が強いクスリです。単に薬価が高かったり、製薬会社の売り込みが盛んなクスリが患者にとって最適とは限りません。医者が使いやすいと評価するものが頼れるクスリといえるのではないでしょうか。