個々の社員の「稼ぐ力」を
見てみよう

 一方、国内ユニクロ事業の営業利益は25年8月期で968億円となっており、こちらは2期連続の減益です。売上高営業利益率で見ても、2年前の17.7%から25年8月期は14.17%と顕著に低下しています。

 このように、ファーストリテイリングでは、売上は右肩上がりで成長していますが、収益性は近年悪化しているのが現状と言えます。

 それでは、こうした収益性の悪化の要因はどこにあるのか、ということですが、可能性の一つとして挙げられるのが個々の社員の「稼ぐ力」の低下です。社員一人当たりの売上高を見てみましょう。

 25年8月期のファーストリテイリングのパート・アルバイト社員を含む社員一人当たりの売上高は2405万円であり、前年同期の2422万円に比べて17万円の減少です。

 しかし社員一人当たりの営業利益では、25年8月期の社員一人当たりの営業利益は280万円であり、前年同期の330万円に比べて50万円も減少しています。

 つまり、社員一人当たりの業績で見ると、売上の減少が軽微であるのに対し、利益の減少が大きいことが特徴であると言えます。