ふるの・よういち
リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所所長
Photo by T.U.

古野 一流はプロの必要条件。専門知識、専門技能やスキルを持っていて、かつ顧客や仲間と協業するなかで成果を出すのがプロということですね。

 私はこれまで仕事柄、プロ経営者をずっと見てきたのですが、彼らは当たり前ながら日々鍛錬しています。イチローが毎日鍛えているように、プロの経営者、つまり組織が変わっても業績を上げられる人、経営者として持論を持っている人は、自分に何が課されているのか、仕事を通して自分をどう成長させてくれるかを認識できています。

勝呂 常に自分を客観的に捉え、周囲に対してどのような価値を発揮するべきかを冷静に見ているということなんでしょうね。ところで、そうしたプロ経営者達には、自分が鍛錬しているという明確な意識はあるのですか?

古野 結果として鍛錬になっている、という感じですね。企業を跨って活躍する人は経営者として自分の弱いところがよくわかって、それを補おうと努力を続けている。一方で、会社の事業部を跨って業績を上げてきた人は、自分に与えられた役割に対して常に150%~200%の成果を発揮しようとしている。つまり、今のオペレーションのみならず、将来を見据えた高い目線を持っているんですね。

秋山 一流やプロをつくるのは“良い習慣”ということですね。

古野 習慣にしないともったいないし、できないと思いますね。よく熟達者と呼ばれる人たちには“1万時間の法則”があると言われますが、毎日3時間を10年続けられたらすごいですよね。

 もう1つの重要なポイントは、非常によく考えられたトレーニングをできているかどうかが。のんべんだらりではなく、自分の弱いところを理解して日々の鍛練に落とし込んで考えていなければダメですね。

勝呂 私は、一流とそうでない人の差は、自分の限界を知っているかどうかだと思うんです。一流だと勘違いしている二流の人は「自分は全て正しい」「なんでもできる」と思い込んでいます。一流の人は「自分は全て正しい」と言い切る一方で、それが言える範囲や条件をちゃんとわかっている。だから、自分の弱いところの鍛錬ができるし、自分の領域を突き抜けてやってみることもできる。自分と外部の線引きが一流の人は明確に持てていると思います。

秋山 おっしゃる通りですね。それこそが、一流に顕著な特徴だと思います。