三木 このような変化が起きている状況の中で、自分たちがグローバルで残っていくためには、どういうビジネスを展開していくべきなのか、そういう課題を突き付けられているのです。ベネッセの中には、自ら変革していかなくてはいけないという強い危機意識がもともとありました。

ベネッセの会社理念「よく生きる」と
合致していたソーシャル・ビジネスの考え方

国内市場が縮小しつつあるから海外に活路を見出すというなら、既存事業の海外展開に注力するという方法もあったのではないだろうか。

三木 自分たちのノウハウを使いながら海外事業を行う、という意味では、ソーシャル・ビジネス以外の方法も、もちろんあります。

 ただ、現地調査で、新興国や途上国を30ヵ国くらい見てわかったのですが、現地の一般庶民というのは、質の良い教育を受けていないんですよね。一方、ベネッセの社員は社訓に「よく生きる」とあるように、多くの“普通に暮らしている人が良く生きる”ためのサービスしたいという気持ちが強い人が多い。

 そこで、新興国や途上国でソーシャル・ビジネスというものを活用しながら、富裕層ではない、一般庶民の教育問題を解決するのも手じゃないかと、思ったんです。しかもこれは、ベネッセの社員のやる気の方向とも合致していますしね。

投資を通じて自らも
イノベーティブに変革していく

ではなぜベネッセは自らソーシャル・ビジネスを立ち上げるのではなく、現地でソーシャル・ビジネスを手掛ける団体に投資をする「インパクト・インベストメント」を選択したのだろうか。

三木 社会的課題という難しい課題を解決していくには、どうしても革新的な解決方法が必要なんです。しかし、残念ながらイノベーションって、僕らも含め、いわゆる「大企業」からは起きて来づらい。ならばまずは、いっそ、イノベーティブな解決方法を生み出しているNGOやNPO、あるいは現地のベンチャー企業と組む方が絶対面白いと思ったんです。