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「あらゆる組織が変化のために組織されなければならない。もはや、起業家的なイノベーションをマネジメントの枠外、ないし辺境に位置づけることは許されない」(『ドラッカー 365の金言』)
イノベーションこそマネジメントの中核に位置づけなければならないとドラッカーは言う。なぜならば、組織の機能とはもともとが起業家的なものだからである。それは、組織の外の世界に変化をもたらすべく、知識を仕事、道具、製品、プロセスに適用することである。
そこでイノベーションが大事なのはむしろ技術変化が劇的でなく、人目を引かない組織においてだとドラッカーは言う。
電子機器や医薬品のメーカーでは、誰もがイノベーションの大切さを知っている。イノベーションなしではつぶれることを覚悟している。
ところが、保険会社ではイノベーションなしでは生き残れないとまでは思っていない。だから、イノベーションが行なわれない。それだけでなく、自分自身が硬直化してしまう。
ピーター・F・ドラッカー、1909年11月19日生まれ。2005年11月11日、96歳の誕生日を目前にして永眠。そのドラッカーが、日めくりカレンダー風の近著『ドラッカー 365の金言』で、こう問いかけ、呼びかけている。
「あなたやあなたの組織に硬直化の危険はありませんか。体系的にイノベーションを行っていくための方策を考えてください」(『ドラッカー 365の金言』)