『七転び八起き』という格言があります。

 世の中には、純粋な魂の持ち主がいます。今、これを読んでいるあなたも、その一人でしょう。善意、理想、希望、誇りに溢れる気高さが世を明るく照らしていますが、純粋な魂が傷つき磨り減り折れてしまう理由は沢山あります。それが現実です。それでも、自らの信じるところに従い、心のうちに純粋さをもって生きていく。七回倒れても、もう一回起き上がる。そんな心象風景を見たくなります。

 と、いうわけで、今週の音盤は、アート・ペッパー「ミーツ・ザ・リズム・セクション」です(写真)。

アルト・サックスの天才

 最初に断言します。

 アート・ペッパーは天才でした。

 ジャズが生まれて100年余り、綺羅星の如く天才達が輝いています。デューク・エリントン、ルイ・アームストロング、チャーリー・パーカー、セロニアス・モンク、マイルス・デイビス……。アート・ペッパーも、そのジャズ巨人列伝に並びます。

 今週の音盤「ミーツ・ザ・リズム・セクション」を聴けば、それが分かるはずです。