アマゾンらしくない?
他社製品並みの本体価格の理由
アマゾンがとうとうテレビに進出した。
テレビと言っても、テレビのハードウェアではない。テレビにインターネットのコンテンツをストリーミングするセットトップボックスの発売だ。
米時間4月2日にアマゾンが発表し、即時販売が開始されているのは、「アマゾン・ファイアTV」。手のひらに乗るほどの小さな機器で、これをテレビに接続すると、さまざまなコンテンツをビッグスクリーンで見られるというものだ。
含まれるのは、アマゾンが提供する無料のストリーミングサービスや映画のストリーミング、同じく映画のストリーミングで人気のネットフリックス、テレビ番組のフーループラス(有料版)、その他ミュージックビデオのヴィーヴォやインターネットラジオのパンドラなども含まれている。
ビデオコンテンツだけではなく、ゲームコンテンツもエレクトロニックアーツ、ディズニーのものなど100作以上を提供。ゲーム用コントローラーも発売した。
ファイアTVの価格は99ドル。他のセットトップボックスとほぼ同価格で、激安が戦略のアマゾンらしくないとガッカリの声も聞かれた。そして、アマゾンがすでに込み入ったテレビ市場に参入したことは、成功を疑問視する見方と、将来ショッピング機能などを統合して、アマゾンならではの長期的戦略に出るだろうという見方に分かれている。
アマゾンが主張する
既存のセットトップボックスの問題点
テレビのセットトップボックスに進出している企業は、アップルTV、ロク、グーグルなど、すでにいくつもある。そこへ乗り込むに際して、アマゾンは既存のセットトップボックスの問題点を3つ指摘した。検索が難しいこと、ストリーミングがすぐにスムーズに始まらないこと、そして閉じたシステムになっていることだ。
検索が難しいことに対するアマゾンの解決策は、音声入力。ファイアTVのリモコンには音声入力ボタンがあり、これを押して「ジョージ・クルーニー」と伝えれば、クルーニー関連の映画やビデオの一覧が表示されるしくみだ。今までわかりにくいリモコンで1文字ずつ入力したり、画面上で選択を繰り返していたことを思えば、これはかなり便利と言える。