今回は、出版業界で「フリーライター」をする、40歳の女性を取り上げる。女性は十数年前に結婚し、今は夫婦で幸せな生活を満喫している。
20代の頃は、いくつかの小さな会社に勤務していたが、いずれも短い期間で退職を繰り返した。当時から、周囲から「キモイ」「変人」と言われ、遠ざけられていた。その後会社を辞めて、専業主婦になった。今度は、「フリーライター」と名乗り始めた。書くことで十分な収入を得るだけの実績もキャリアもない。だが、自分は「プロのライター」だと公言する。
会社員の頃も主婦としてライターになった後も、彼女はなぜ「キモイ」「変人」と揶揄され、孤立するのか。このような人が企業社会にいることも含め、考えてみたいと思う。なお、本文中にフェイスブックの中から、一部を引用した部分がある。それらは、プライバシー保護のため、一部を加工・修正したことをあらかじめ述べておきたい。
40歳にして未だ「主人が…」を乱発
幸福アピールに酔いしれる主婦ライター
今年3月11日、40歳の女性のフェイスブックのウォール。どうやら、3年前の大震災のことを書いているらしい。
「あの日(3年前の震災)、地震のとき、主人は私にメールを送ってきて、大丈夫か?なんて。ああ、愛されているんだな、なんて思って…遺族の人に不謹慎ですよね!」
およそ40歳の女性とは思えぬ子どもっぽさで、フリーライターとは思えない文章が、この後も長々と続く。ほとんどの投稿に「主人が…」「主人が…」といった言葉が繰り返される。そして、盛んに自らが「幸福」であることを強調する。
「主人が、私の作ったお料理を、おいしいねって言ってくれて…」「今日は、主人とデート!」…。
それぞれの投稿の下に、「いいね」を押す人がわずかに2人。どうやらその2人は、この女性の主婦ライター仲間のようだ。