あっちもこっちも、鼻をすする音とくしゃみが?

 春になると日本全国、花粉症の「音」が聞こえ始めます。電車の中も、くしゃみや鼻をすする音だらけ。マスクをし、メガネをかけてもなかなか予防や防止には至らないようです(私は今のところ花粉症ではありません)。

 いまやなんと日本国民の3割が花粉症であり、その8割以上がスギ花粉へのアレルギーを示しています。

 これには地域による差があまりないのですが、通年性のアレルギー性鼻炎も含めての有病率で40%を超えているのは、北から、山形、宮城、栃木、千葉、埼玉、東京、神奈川、山梨、岐阜、静岡、三重、奈良、京都、鳥取、山口、高知、佐賀、の17都府県となっています。最高は山梨の53.8%、次が高知の50%です(2008年)。これらの共通点は、なんなのでしょう?

問題は、スギ(やヒノキ)なのです。

 日本の空気中にスギ花粉が大量に舞い始めたのは、1975年(昭和50年)以降。戦後の復興のため「拡大造林」と称した林業政策で大量に植えられたスギが、30年経って成木となり、花粉を飛ばしはじめた頃です。

 同時に、安い輸入材に押されて「拡大造林」は破綻し、その若杉たちの枝を落として姿を整える者もいなくなりました。花粉は飛び放題です。全国のスギ・ヒノキの人工林が卓越している地域の風下(関東含む)で、多くの花粉症患者が苦しんでいるわけです。

 スギの木も花粉も今後100年、減ることはないでしょう。個人としてできるのは、画期的新薬を待つか、花粉を飛ばなくさせる研究を支援するか、もしくは、自分の耐性を上げることくらい。

 そう、実は現代人の「過剰な清潔志向」がアレルギー性鼻炎などの真因ではないか、とも言われています。何もかもを綺麗にしすぎたお陰で、反応の閾値が下がって、反応しなくてもいいものにまで反応してしまっているわけです。

 要は「多少不潔にする」ことで、春のくしゃみは減る、ということなのですが……。