「エネルギー政策に奇策は通用しない」とか「万全の対策を尽くす」とか決意表明のような文言が並ぶが、それがまた無内容さを浮き彫りにしている。その最たるものが「高レベル放射性廃棄物は国が前面に立って最終処分に向けた取り組みを進める」だ。今までできなかったことを信用しろと言っても無理である。言葉だけの努力規定に聞こえる。総じてこの計画には数値も期限も明示されていない。これでは計画ではなく、単なる「再稼働宣言」に過ぎない。

 なぜそうなったのか。それは事故の第一級の被告である原発行政と電力会社が自ら判決文を書いたからだろう。全く事故を反省し学んだ形跡がうかがえないことに怒りさえ感じる。

 当初、この基本計画は、昨年末に決定される予定であったが、突発した都知事選によってここまで先送りされてきた。確かに年末にこの計画を決めたら、都知事選の様相も変わっていたかもしれない。集団的自衛権問題もそうだが、これほど民意を退けている政治に明日はないと言うべきだろう。

細川・小泉両氏の新法人が
安倍政権の原発政策に立ちはだかる

 ところで、前のめりの安倍政権の原発政策に、都知事選で連携した細川護熙元首相と小泉純一郎元首相がまたもや立ちはだかろうとしている。

 5月7日に一般社団法人「自然エネルギー推進会議」を立ち上げ、自然エネルギーの推進、原発再稼働と原発輸出を阻止するための活動を開始する予定だ。

 最近の細川・小泉両氏は、選挙敗北の後遺症は全く見られず、最後の仕事、一生の課題に向けて鬼気迫る闘争心が感じられるようになった。

 原発事故から何も学ばなければ、世界からも後の世代からも強い批判を招くだろう。原発事故は、「安全性」より「経済性」を重視したために起きた。それにもかかわらず、政権は「経済性」を一段と重視した計画を掲げたのである。