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「公的機関を廃止する可能性も廃止できる可能性もない。今日の社会には公的機関が果たすべき貢献を不要とする考えはない。学校無用論を説く者さえ、教育の低下ではなく向上を望んでいる。病院の欠陥を攻撃する者も、医療の拡充を望んでいる」(『マネジメント【エッセンシャル版】』)
政府機関、軍、学校、研究所、病院、労働組合、法律事務所、会計事務所、経済団体などあらゆる公的機関が、マネジメントを必要とする。それら公的機関こそ現代社会の成長部門である。
ところが、それら公的機関の成果たるや、立派どころかなるほどと思わせるレベルにも達していない。
公的機関は、企業と同じようにマネジメントすれば成果を上げられると、くどいほど言われてきた。しかし、それでは不十分である。
公的機関に欠けているものは成果であって、効率ではないとドラッカーは言う。効率によって成果を手にすることはできない。
公的機関のマネジメントが不適格、無能、不まじめ、怠惰であると信ずべき理由はない。企業の人間が公的機関のマネジメントに任命されたとき、官僚よりもうまくやれると信ずべき理由はない。われわれは、彼らがただちに官僚になることを知っている。
「われわれに与えられた選択は、公的機関が成果をあげるための方法を学ぶことにほかならない。しかも公的機関は成果をあげるべくマネジメントすることが可能である」(『マネジメント【エッセンシャル版】』)