毎日1~3回行えば、4~6週間で効果が現れてくる。不眠や不安感が解消された、というケースばかりではない。「部下の一挙手一投足にカリカリしていたが、穏やかな気持ちで見守れるようになった」「頼まれると断れないタイプだったが、今ではノーが言えるようになった」という声もあるという。緊張がほぐれることにより、よい意味でいい加減になるのだろう。

ストレスの状態を
客観的につかむ

 自律訓練法が上達すると、自分のストレス状態を客観的につかめるようになってくる。「今、ちょっとイライラしているな」「気持ちが沈んでいるな」といった具合にだ。

 坂入氏はアイエムエフ研究センターと共同で、介護施設を対象に研究調査を行なっている。それによれば、職員の朝の精神状態が不安定だと、大きな事故が起こりやすいことがわかった。そこで毎朝、各社員が自分の心理状態をチェックし、その後、ストレッチやリラクセーションを1分間実施するようにしたところ、1ヵ月後に、ストレス状態やうつの改善が見られたという。

 「自分のストレス状態はなかなかわからないものです。これがより大きなストレスを生む原因になる。たとえば、イライラしていてつい仕事でミスをしてしまった。おかげであわててしまい、もっと大きなミスをする。上司に叱られ、泡を食ってさらに大きなミスをしてしまう、といった調子です。もしも、自分の状態を把握できれば、その時点でストレス解消をし、次のトラブルを未然に防ぐことができるようになるはずです」(坂入氏)

 職場の人間関係や仕事の悩みなどは、自分1人ではなかなか解決できない。だが、姿勢や呼吸を変えることはできる。すでにうつを患っている場合は訓練がストレスになるので別だが、そうでない限り誰でもチャレンジできそうだ。

 「モチベーションを上げろ」「ポジティブシンキングでいこう」といったメッセージに、つねにお尻を叩かれているビジネスマン。とはいえ、ときには頑張らないことも必要だ。世の中が世知辛いときほど、そのコツを身につけておくべきなのかもしれない。

【今回のポイント】 自律訓練法を学ぶには

心の健康管理法、うつ予防策として、自分で日常的にできる自律訓練法。独学でもかまわないが、できれば専門家のトレーニングを受けるとより効果的だ。興味のある人は、下記のような研修を受けるとよいだろう。


『第1回 自律訓練法研修会』
主催: アイエムエフ株式会社  
協賛: あいおい損害保険株式会社
開催日: 2008年10月4日(土)、10月13日(月・祝)、11月22日(土)
申込受付期間:2008年8月18日(月)~9月19日(金)必着
お問合せ先:アイエムエフ株式会社 http://www.imfine.co.jp/