先週行われた女子プロゴルフツアー・KKT杯バンテリンレディスオープンの勝みなみの優勝には驚かされた。

 そもそもアマチュア選手、それも15歳の高校1年生が歴戦のプロを破ること自体、とんでもない大偉業だ。

 知人に女子プロゴルファーがいるので、プロゴルフツアーで優勝することがいかに大変なことかは聞き知っている。プロになるのはアマチュア大会で何度も優勝している選手たちだ。その才能ある人が練習に練習を重ねてプロテストの狭き門をくぐり抜ける。プロになったからといってレギュラーツアーの大会に出場できるわけではない。新人はステップ・アップ・ツアーに出場し好成績をあげる必要がある。この大会に優勝しても、レギュラーツアーに出場できるのはわずか4試合だ。

 これとは別にレギュラーツアーの出場権を得るための方法としてはクォリファイング・トーナメント(QT)への挑戦がある。QTにはファースト、セカンド、サード、ファイナルという4つの関門があり、これを勝ち抜かないとレギュラーツアーには出場できない。

 ここで勝ち残り、出場権を得たとしてもレギュラーツアーにいるのは各年代の日本一クラスばかり。その強者を相手に2日間の予選ラウンドを勝ち抜き、プレッシャーのかかる決勝ラウンドを戦う。そこで最高のプレーをした者だけが得られるのが優勝の栄誉だ。それだけ大変なことだから、初優勝した選手はほぼ例外なく感激の号泣をする。アマチュアの勝は主催者推薦での出場だが、技術においても経験値においても、はるかに上まわるはずの選手たちを相手に対等以上のプレーを見せ、勝ち抜いてしまったのだ。

 勝の場合、優勝が決まった時も涙はなかったように、そうした長年の苦労を知らずノープレッシャーで自分のプレーに徹することができたから優勝できたのかもしれないが、そうだとしても3日間プロとラウンドして崩れることがなかったのは見事。レベルの違うポテンシャルを持っていることは確実で、今後の成長が楽しみである。