学生時代のアルバイト経験は、
就活の“強み”になるのか?

 さて、もうひとつの興味深いアンケート結果が出たのが「学生時代のアルバイト経験」である。実は内定3つ以上の人と、内定0個だった人のアルバイト内容を比較したところ、両者の違いはほとんどなかった。

なぜ体育会系の学生は就職にまったく困らないのか <br />彼らに学ぶ「内定がもらえる人の共通点」

 数字だけ見れば、内定3の飲食店でのアルバイトのポイント数が高いが、これは大学生ができる「飲食店」のアルバイトの絶対数が多いだけであって、内定3と内定0のアルバイト経験者の総数の誤差を考慮すれば、重要視するべき数値ではないと思われる。

 また、“非接客業”である「短期系作業」「事務アシスタント」だからといって、内定3と内定0では差は見られなかったことを考えれば、一概に「接客業=就活に強い」という理屈は通らないところがあった。「家庭教師」「インストラクター」に関しては、内定0よりも内定3のほうが若干多かったが、この数値の差からも分かるとおり、「このアルバイトだから内定3」「このアルバイトだから内定0」という決定的な違いを見出すまでには至らなかった。

 これは仮説に過ぎないが、おそらく、大学生の頃のアルバイト経験というのは、就活にはあまり大きな影響を与えないのではないか。もう少し突っ込んだ言い方をすれば、アルバイトは社会に出てから役立つ経験かもしれないが、就活という履歴書と筆記試験、面接という短期決戦のプロセスにおいては、あまり武器にはならないということが考えられる。

 就活を大学3年生の中盤から始めると仮定した場合、大学に入学してから就職活動までの期間というのは、実質、2年半しかない。就活の時期を遅らせる動きが世間で活発化したとしても、大学生の時期にアルバイトを体験できるのは、せいぜいトータルで1~2年ほどしかないはずである。しかも、その期間は就活を行う大学生の年齢20~21歳という短い人生の中では、その人物の資質に与える影響は非常に少ないといえる。

 そのような状況を考慮すれば、おそらく、アルバイトの経験によって得た考え方や知識、経験は、社会に出た際に非常に役に立つ“知恵”になるかもしれないが、就活においては、採用する側にとって「分かりにくい経験」になってしまうことが考えられる。

 さらに根本的なことを言ってしまえば、大学生がアルバイトをする理由は、「遊ぶお金が欲しいから。以上」でしかなく、将来の役に立つとか、自分のスキルが磨ける等の理由でアルバイトをする学生は、ほんのわずかしかいないと言ってもいい。

 社会に出る前にアルバイトを経験することは、社会に出て働くスキルとしては、非常に貴重な体験になることは確かではある。もしかしたら、年代の違う人と接触する経験値が上がって、面接に有利に働くかもしれない。しかし、アルバイトで得た経験が、「就活」という短期決戦においてのアピールポイントとしては、決して破壊力のある武器にはならないということは、認識しておいたほうがいいのかもしれない。