つまり、このどちらのマネジメントに偏ってもよい結果を生みません。同じ時短で働いていても、同じ総合職でも、置かれた状況やキャリアへの考え方やモチベーションは人それぞれです。そのなかでマネジメントのラインに上がっていきたい人もいますし、そうでない人もいます。ですから、「女性はこういうものだ」という一律で管理してしまったり、女性の能力を一律で判断せずに、一人ひとりを見て、その人にとって最も「フェア」と「ケア」のバランスがとれたマネジメントをしていきましょう。

 こう話すと、「ああ女性はめんどくさい」と思われたかもしれません。ただ、ここはとても重要で、本当を言うと、男性も女性もマネジメントは個人個人に対して行うもので、全員一律ではありません。

 ですので、人事部がマネジャーに女性のマネジメントについて語る際は、メリットを先に提示していくことが大切です。女性をどう活かすか、というとやらされている感があります。ですから、あなたがチームの成果を上げるためには一人ひとりが最大限に力を発揮することが必須、だから個人の能力と状況に合わせて多様性をうまくマネジメントしましょうという切り口から、今後は女性のマネジメントも重要なテーマだと伝えるといいでしょう。

時短の女性はこんなに忙しかった!
男性上司は“見えない時間”に理解を

――女性社員のマネジメントは、どのような順序を追って行うべきでしょうか。

 女性に結婚や出産といったライフイベントの起こる前に、「この会社でずっと働きたい、仕事が好き」と言う気持ちを持ってもらえるよう、マネジャーは若いころから支援をする必要があります。例えば、まだ家庭的な制約がない若いうちに、色々な仕事の経験をさせて役割を広げたり、他部署と接点のあるプロジェクトに参加させるのも1つです。

 若いうちに仕事に対するおもしろさを知らないでライフイベントを迎えてしまうと意識がプライベートに向いてしまい、仕事は辞めちゃおう、もしくはソコソコでいいかなという気持ちになってしまいます。ですから、早い段階でいろいろな経験や支援をしたうえで、「マネジャーとして君を支援しているよ。もし何かあった場合は私が責任を持つからね」という後ろ盾があれば女性は心強いと思います。

 では、実際にライフイベントに直面した女性に対してはどう支援すべきでしょうか。最近、男性の育児参加が増えていますが、女性の方がどうしてもライフイベントの影響を受けやすい傾向にあります。男性上司も表面的には分かっていても、それがどれだけ大変で、働くキャリアに影響するかを深く考えたことがない人が多いと思います。