自ら錦の御旗を降ろした!?
「賛成の声はありません」

 ここまで規制改革会議が、選択療養制度(仮称)の成立にこだわるのは、混合診療問題が業界団体などの反対で簡単に撤廃できない「岩盤規制」の象徴とされてきたからだ。その岩盤に風穴を開けることで、自らの手柄にしたいのだろうが、正直なところ選択療養制度(仮称)は風前の灯だ。

 4月23日の会議後記者会見では、冒頭のやりとりだけではなく、「反対の声はたしかに取材でよく聞くのですけれども、患者団体から賛成する声というのは具体的に届いているのか」といった厳しい質問も出た。

 これに対し、岡議長は「賛成の声については、まだ仕組みができていないので余りありません」「個人的な声はありますが、会議そのものに対してあるとは聞いていません」と、自ら錦の御旗を降ろすような発言をしてしまったのだ。

 患者から具体的な賛成の声もなく、期待するのは岡議長の周りにいる「3人」だけという選択療養制度(仮称)成立の可能性は限りなくゼロに近い。

 ただし、規制改革に熱心な安倍晋三首相は「保険外併用療養費制度のしくみを大きく変える制度改革を関係閣僚で協力してまとめてもらいたい」と指示を出している。

 首相の指示は無視できない。選択療養制度(仮称)は成立しなくても、厚生労働省は保険外の治療を利用するための何らかの対応を迫られることになるだろう。だが、前述したように保険外の治療がいくら使えるようになっても、患者の負担を大きく減らすものではない。

 安心して医療にかかれる制度を維持するためには、保険外の治療が拡大し過ぎないように国民自らが声をあげる必要がある。