また京都大学では、5月15日にリュウグウノツカイの解剖を京都水族館にて公開実施。主催者の予想をはるかに超える、約180人もの集客があった。

 こうしたブームを一気に盛り上げたのが、足もとにおける「野生の深海魚」の相次ぐ発見なのである。それにしても、ここにきてなぜこれほど多くの深海魚が発見されるようになったのか。それはいったい、何を意味しているのだろうか。「あなたの知らない海の世界」の裏側をリサーチしてみよう。

古くから言い伝えられてきた
地震と深海魚の関係に根拠は?

「サケガシラ」が大量に捕獲されるのは、大変珍しい現象。体長数メートルを超えるものもあり、「リュウグウノツカイ」と共に沖合いの水深200~1000mほどの中深層域に生息する
写真:『深海魚 暗黒街のモンスターたち』(ブックマン社)より

 『深海魚ってどんな魚』『深海魚 暗黒街のモンスターたち』(いずれもブックマン社)などの著書を持つ、北海道大学名誉教授の尼岡邦夫氏も、続々と報じられる深海魚の発見に驚いたという。

「ダイオウイカももちろんですが、特に異例と言えるのはリュウグウノツカイやサケガシラの捕獲。これらは年に1、2回、合わせて10尾ほどしか揚がらない大変珍しい魚で、これまでは発見の報告があるとわざわざ遠方まで見に行ったもの。それらの魚が大量に揚がるというのは、経験のないことです」

 こうした稀に見る「大量発見」により、深海魚ブームが過熱したのは確かだが、その一方で、希少な魚が大量に発見されることから、大地震の前触れなどを危惧する声もある。

 めったに見られない深海魚が打ち揚げられると、決まって大地震との因果関係が取り沙汰される。深海魚の生態や行動には謎が多く、また海底に住んでいるため、地底の変化が原因となって彼らが海上付近まで出て来るのではないかと考えられるからだ。