そうしたピュアな心性傾向のある彼らは、親や家族からのプレッシャーで追いつめられて家庭内で煮詰まることはあっても、その矛先が他人や社会に向かうという話はあまり聞いたことがない。

 まだ限られた情報しかない中で何とも言えないものの、24歳の容疑者は、筆者の知っている「引きこもり者」像とは、どうも違うようだ。

 当事者からも<AKBファンに対するネガティブイメージから「オタク」「ひきこもり」等が引き出されて、バッシングのように語られてるような気がしてます>という意見があった。

 前述の番組内容については全体の流れを見ていないので何とも言えないものの、副題が<容疑者は“社会人ひきこもり” 私の子どもの将来は大丈夫? いったい今何が…>と飛躍しているのも、少し気になる。

 副題を読むだけでは、元々の「甘え」や「怠け者」「精神力が弱い」といった偏見に加えて、ふだんは大人しく内向的で何を考えているのかまったくわからないと周囲から見られている人たちまでも「引きこもり」という範疇に入り、皆が「危険な人たち」のような風評被害も広まりかねない。

引きこもりの人たちは
怒りの矛先を他人に向けたりしない

「今回は、AKBという大人気のグループが襲撃されたことで、インパクトが大きい。引きこもりって報じられているけど、2ヵ月くらいですよ。何もうまくいかないから家にこもっていて、矛先を他に向けようとしたらしい。僕らは、何年、何十年単位で引きこもっている。せっかく最近、いろいろな取り組みで誤解が少しずつ解けていたのに、またイメージが悪くなりそうで…」

 40代の当事者は、そう声を曇らせる。