こんにちは鈴木寛です。

 FIFAワールドカップ(W杯)ブラジル大会開幕を前に嬉しいニュースがありました。なでしこジャパンがベトナムで開催された女子アジアカップ決勝で、強敵オーストラリアを破り、悲願のアジア制覇を成し遂げました。

 キャプテンの宮間あや選手が「男子のW杯の弾みになれば」と語ったように、ザックジャパンの選手たちを勇気づけたのは間違いありません。

 女子のアジアカップは来年夏にカナダで行われる女子W杯の予選も兼ねていました(上位5ヵ国が本大会出場)。こちらも連覇が期待されますが、なんといっても2011年ドイツ大会での世界一の感動は、私も政府派遣で現地同行していたこともあり、一生忘れられません。

 まさに国民栄誉賞の功績として公文書に記載されている通り、「『なでしこジャパン』の愛称そのままに日本女性の素晴らしさを存分に世界に示し東日本大震災の災禍から立ち上がらんとする被災者とすべての国民に勇気と感動」を与えてくれました。

サッカー協会の定款にみる「存在理由」

 『なでしこジャパン』の話を改めて引き合いに出したのは、サッカーやスポーツが社会にもたらす影響力を思い起こしていただきたいからです。

 私はこの3月、日本サッカー協会の理事に就任し、コンプライアンスや組織ガバナンスの整備、グローバル対応を中心に担当しています。政治家になる前の通産省時代もプロリーグ(現在のJリーグ)創設を手伝い、2002年の日韓ワールドカップ組織委員会の情報通信委員も務めました。

 昨年は、国立競技場で藤田俊哉選手の引退試合の運営をサポートしました。サッカー界に関わってきた理由は、私自身が中学・高校とサッカー部員で、大のサッカー好きということもありますが、何よりもサッカーが持つ「ソーシャルイノベーション」の価値に魅了されてきたからです。

 そのことを考える上で、選手のプレースタイルや戦術に詳しいファンの方でも、ほとんど目にしない“渋い”文書をご紹介しましょう。「公益財団法人日本サッカー協会 定款」。何か物々しいタイトルですが、機密文書ではありません。公益財団法人であるサッカー協会のホームページにアクセスすれば、PDFファイルがダウンロードできます。